「あー…オレ心狭いな…」
「え?なに?」
「碧がアイツに…浜田に頭撫でられてた時…」
「うん?」
「何か、気が狂いそうで…不安になった。」
「……私がまた先生の事好きになるかも…って?」
「ん…ごめん、嫉妬深くて…」
少し落ち込んだような声で話す。
「…ばーか。」
私は、そんな圭太の頭をワシャワシャと撫でた。
「ちょ…っは!?」
「私の彼氏は圭太!他の人に興味なんてないの!」
頭を両手で挟み、私の目を見つめさせる。
しばらく2人で見つめ合った後、クスクスと笑い合った。
たぶん、ハタから見たらバカップルなんだろうな…
でも、圭太が笑ってくれるならそれでいい。
いつも笑わせてもらってたんだから、今度は私の番なの。
そんな事を考えていたら…
圭太の顔がすぐ近くにある事に気が付いた。
「わ…っ!?」
驚いて慌てて離れる。
私のその行動に、圭太も驚いたように目を見開いていた。
あ…キスしようとしてたのか…!
急だったからびっくりした…
じゃあ、急じゃなかったらキスしてたのかな…?
私達は手を繋ぐ事以外はまだしていない。
圭太も何もしてこないし、それでいいんだと思ってた。
「…ごめん。」
「いや…私もごめん…」
さっきまでのバカップルの雰囲気が嘘のように気まずい空気が流れる。
その日は、お互い気まずいまま家に帰った。

