雨の日は君と。~先輩の香り~



でもその顔は不機嫌で。
その続きを言うことができなかった


「あの…えぇと、」


今にも泣きそうな声で言葉をつなげる


すると突然、李月君は
私をベッドに押し倒した


「涙目でそんなことして…
 誘ってるようにしか見えないけど?」


あれ…?
なんでこんなことに?

昼の時と同じように目の前は
天井と李月君の顔


李月君に触れられてて少し安心は
するけど、まだ怖さは無くならない



「可愛いことしないでって言ったよね?
 俺、そろそろ我慢の限界」


今の私には李月君の声も
聞こえてるようで聞こえてない


李月君の顔がどんどん近づいてくる



我慢…って、何…


ただ、こわい。

雷が、こわい。



「……っこわい」