雨の日は君と。~先輩の香り~




    ――― side Ritsu ―――



母さんと父さんから話を聞いた後
俺はすぐに部屋へ戻った



「お母さんは遠くに住んでるの?」


李子のその言葉に俺も固まった

ぱっと二人から見えないように隠れて
風和の様子を伺うことにした


風和が困っていたらすぐに入ろう。

そう思っていた


ドアは開いてたから風和の顔を見ると
風和は曇った顔をしていた

でもすぐに決心したように強い表情になり
李子に自分の過去を全部言った


前、雨の日に泣いていたような
弱く脆い風和はそこにはいなかった

強くなったな、風和

あとで頭を撫でてあげよう
…というか、俺が撫でたい