気づけば、情けないことに、俺は泣いていた。

声も嗚咽も出せないで、大粒の涙だけを、ぼろぼろぼろぼろと、みっともなくも。


仕方ないんだ、と、自分に言い聞かせる。


誰だって、知り合いが意識不明だなんて知ったら、不安にもなる。涙も出る。多分。

不可抗力ってやつだ、絶対。


____俺が美空を好きだったのは、もう過去の話で。
____今の俺は、ただ、知り合いを失うのを恐れてるだけなんだよ。


暗闇の中で、うわ言のように呟いた。

夥しい量の記憶やら、ろくでもない感情が混ざり合って、俺の胸に大きな塊を作っていく。

俺はブツブツと何か言って、塊を育てて、どうにもならずに蹲る。



そして、そのまま眠った。