『名古屋市・暴走トラック 女子高生が意識不明



9月6日17時半ごろ、名古屋市○区で、トラックが、横断歩道を自転車で横断していた16歳の少女をはねた。

警察によると、少女は県内の私立高校に通う二年生、沢井 美空さんであるとわかった。

トラックを運転していた、市内の運送会社に勤める男は________』


俺の目は、もう、焦点が定まらなかった。


それでも、脳裏に焼きついた名前が、心を掻き乱し続ける。


『沢井 美空』。

県内の私立高校に通う二年生、だって?

_____ああ!よく知ってるよ!

俺は今にも叫び出しそうだった。

_____その学校、秋月高校だろ、俺も通ってる!


俺は崩れるように、ベッドに倒れこんだ。

ベッドの軋む音が結構でかかったが、どうでもいいことだ。


「美空…」


目を閉じたまま、彼女の名を呼ぶ。

意味なんか無い。

瞼の裏に、自然と美空の姿が浮ぶ。


少しだけクセのある黒髪のセミロング。
校則違反とは程遠い、きちんと着られた夏服。
160cmに満たないくらいの身長。
以外に良いスタイル。
派手じゃないけど、整った顔立ち。
鼻は高くて、目は二重だ。
いつも、何かを考えるような表情を浮かべていた。


俺はこんなにはっきりと美空の姿を思い出せるのに。

生きてんだか、死んでんだか、わかんねぇのかよ。