その瞬間に飛び出してきた男の人の影。

「りょうくん………」

出てきたのはりょうくんだった。

私のことが気になってきてくれたのなら

本当に救世主だと思う。

「滝本……。勝手なことしてんな。」

真顔で恋佳先輩に近づく。

「ともが誰と仲良くしようが勝手だろ。

お前が制限できるようなことじゃない。」

りょうくん………。

この時初めてりょうくんがカッコイイと

少しだけ思った。

「りょうにいわれることでもないでしょ?

こんなとこまでつけてきてなんのつもり?」

呼び捨て……?

2人は知り合いなの?

2年生の中ではこれが普通なの?

「お前のことをつけてきたんじゃない。

とりあえず今後はるに関わるな。」

そういったりょうくんは行くぞといって

私の手を引っ張り体育館まで戻っていった。