「なんで連れて来られたかわかる??」
明らかに怒っているように見える。
「え…と……。わかりません………。」
すごい焦っているのが自分でもわかる。
2人だけの空間。
春風が2人の間をゆらす。
「桜木さん……だっけ。ともと仲良いよね。」
やっぱりか。
絶対にとも先輩が絡んでいると思った。
「普通ですよ……。少し話をするだけで……」
淡々と言葉を返す。
怖い。本当に怖い。
「ともってね……」
と、とも先輩のことを話しだした。
とも先輩は自分から女子に話しかけるような
タイプではないという。
だから話しかけられている私のことが
気になったというのだ。

