少し落ち着いたから体育館に戻った。

「はる……。大丈夫か?」

りょうくんの心配そうな声。

「ごめんね。頭痛くなっちゃって。」

嘘をついた。

頭が痛いのは本当だけど理由はそうじゃない。

「いきなりいなくなったから心配したよ。」

後ろから聞こえた声。

振り向かなくてもわかるその声は……

「とも先輩……。すいません………。」

優しく声をかけてくれるとも先輩。

すぐ隣には恋佳先輩がいる。

辛いけど笑わなきゃ。

笑わないと変に思われるから。

「謝んなくていいよ。ホントに心配した。」

こんなにとも先輩は私を気にしてくれて

いるのに。

「もう大丈夫です。ありがとうございます。」

そういってお辞儀をして雪達がいるほうに

戻っていった。