ガチャッ



屋上に出て空気を吸い込んだ。気持ち良いな。5月の風は爽やかで少しは眠れそう。



この高校の敷地面積は広すぎる。故に急ぐ時に、屋上から下駄箱まで行って駐輪場まで行かなきゃならないから、時間が掛かり過ぎる。



屋上のぐるりを歩いてみる。



ここは特別クラスの校舎だから3階建て。渡り廊下は2階にあって、駐輪場はその中庭にもある。



結局校舎の真ん中から渡り廊下、そして駐輪場の屋根、これが一番最短で行けるな。よしよし私のまっくろくろすけもそこにいるしね。



確認完了したら、ある場所へ足を進めれば、何やら恐ろしい光景が目に入った。



“玲央部屋”



「・・・なっ」



・・・嘘でしょ?



なんて日だ!!呪いか?仏滅か??厄か???



思わずおでこに手をあてて空を見上げた。



ありましたよ・・・専用に屋上で休める様に、零二さんが用意してくれた場所。



「はぁぁぁぁぁ」



今日一、深い溜息を吐いたよ零二さん。



そのネーミングセンス、恥ずかしすぎるよ。だけど零二さんに、何を言っても無駄だろうから、ここはひとまずご好意に感謝しよう、って思えたらステキ・・・なーんて思えるほど心広くないし、大人じゃない。



「クソッ零二め・・・」