中学の頃は、仲良くなったサッカー部の爽やか男子、雄二くんと喋りながら、お迎えの校門まで歩いてると、それはもう想像を絶する怖さで雄二君を脅してた。

結果翌日からは雄二君だけじゃなく、クラスの男の子もみんな喋ってくれなくなったのは言うまでもない。

それからは更に門限も厳しくなって、お友達と遊びにも行かせて貰えなかった。お買い物はお母さんと友達と遊ぶのは家で外出禁止だった。



本当にあの頃のお兄ちゃんは嫌いだった。あんなに厳しいのに、お兄ちゃんとお出かけするときは優しくて、何でも買ってくれて、怖い顔なんてしてなかったような気がする。

普段は凄く優しいから、あの厳しさも許せたのかもしれない。ただ彼女になる人は大変なんだじゃないかと心配した。

結局亡くなってからも、お兄ちゃんの彼女と言う女性が来た事ないから、居なかったんだと思う。

お兄ちゃんのバイクに乗ると、こんな事をよく思い出す。

そんな想い出に耽ってる間に、今日の目的の場所へ着いた。今日からは青龍との紫蛇との境目の無法地帯。

青龍側の安全な場所にバイクを停めて、歩いて無法地帯を目指す。

通るのは表通りではなく裏通り。
さすがに夜も10時近くなれば、裏通りも普通ではなくなる。

アイツを捜して、今日も歩く。裏道の把握と経路を覚える。そしてたまに売られた喧嘩を買う。