届かないこの想いを、胸に秘めて。





ねっ、だから……。



「えっ!?」

そう声を出したのは私。

隣にいる桃田さんを目を点にさせて見た。


彼女は肩を震わせながら大いに笑っていた。




「あははははっ」

「え、なんで笑ってるの!?」

「やっ、だって、……っはははは」



……私面白いこと言ったっけ?

ないよ、ね。

私は普通に言っただけなんだし。笑う箇所なんてどこにもないんだけどな。



「なんで、あたしに許可をもらう必要があるわけ?」

「え、なんでって……」


桃田さんがキミの彼女、だからに決まってるじゃん。

桃田さんはそんなこと気にしないのかな?



「桃田さんって、……ぅ」


言葉が詰まる。
その先が言えなくて、聞きたいのに聞きたくなくて、顔をしかめた。


私に顔だけを向けて見つめる桃田さん。

それにグッと息を呑み込んだ。
そしてやっぱり、桃田さんはかわいいと思った。


その眼差しに観念して、小さく息を吐いた。