「あら〜」
「そっか〜」
「…………」
全てに答え終わるとそれぞれ口を開いた。
私はただ呆気にとられて何も言葉に出来ないでいる。
「この記事結構、わかりやすかったよね!」
うん。非常に。
「そっかあ!私は二次元に恋してるのか〜」
それはまた別だと思うよ?香奈恵ちゃん。
ふたりは私を置いて口々に話す。
それをただ聞いてるだけで私はどこか別な場所に行ってる感じがした。
今まで私は恋をしていなかった、んだ……。
過去の恋は、ただの憧れだったんだ。
だから、こんな風に……。
私の恋って、キミにした恋って、3度目じゃなかったみたい。
こんなのって……!
「ふふふ、せっちゃん」
呼ばれたから横を見た。
テーブルに肘をつけて笑ってる。なんだか、とても幸せそう。
「よかったね。多分これで解消されたでしょう?」
ぎこちなく頷いて、顔をテーブルに伏せた。
顔が熱くなってく。
知ってしまったから、今までの恋と今キミにしている恋の違いに。
これが恋愛感情で、過去のは憧れってことに。
この恋はたぶん──。



