「夢に出てくるんだ〜中村が、ね〜」
「香奈恵ちゃん、そんな目で見ないでよ」
「ムリだね」
もう一度最初から話した私は、やっぱりそんな目で見られるわけで。
香奈恵ちゃんを睨んだ。
それでも笑い続けるからもう諦めて、紅茶を一口すすった。
「んー……なんでだろーね?」
こうやって一緒に考えてくれる和海ちゃんはとても頼りになる。そして、女神様だと思った。
それは言い過ぎかもしれないけど。
香奈恵ちゃんも考えてくれてると思うけど、お菓子に手を伸ばす様子から、別にいいかなと思った。
ちょっと勝手だけど、香奈恵ちゃんらしいから。
「あっ、いいの見つけた!」
そう言いながら私の隣に移動して手に持ってるものを見せてきた。
覗いてみると、そこには
【好きの見分け方】と書いてある。
「なんか面白そうじゃない!?」
「面白そうじゃん!読んでみてよ」
和海ちゃんがそう言うと後ろから顔を覗かせて香奈恵ちゃんが言った。
……ポテトチップス完食してる。
そう思ったのはテーブルに乗っかった小さく包まれた袋を目にしたから。
「じゃー、読むからせっちゃんはそれに答えてね」
声を弾ませて言う和海ちゃんに、頷いた。
自分もわくわくしてるけど、どこか不安に思う。
例え、ここに書いてあることが本当のことを述べているとは限らない。
でもこの気持ちを知るためには、必要だと思ったから。



