届かないこの想いを、胸に秘めて。






「……電車、遅いですね」



なんか喋らなきゃと思ってとっさに出た言葉に後から顔が赤くなるのを感じた。



そして、敬語。
同級生に敬語ってなんか変な感じじゃないかなって思った。

でも、私にとって遠い存在のキミと話すのには敬語になってしまうんだ。




「人身事故って言ってたね」

「そう、だすね……っ!」


言った瞬間顔が燃えるように熱くなった。
隣で吹き出すキミ。

それを目にしてとても恥ずかしくて、絶対赤く染まっていると確信した。



「すみませんっ、私ってば」

小さく呟いて頬に手を当てて、これ以上赤くなった顔を見させないように、覆った。




~~っ、さいあく!もう本当にさいあく!
好きな人の前でこんな、こんな……っ。

恥ずかしすぎるっ。