届かないこの想いを、胸に秘めて。






白い雲が少しかかった青い空を眺めていると、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


空耳だと思った。
だから、反応せずそのまま空を見上げ続けてた。




「長田さん」

もう一度呼ばれた私の名前。


まさか、と思ってそっちを見ると本から目を離して私を見ているキミがいた。


驚きと緊張で息をのむ。
そして、瞬きを二度した。


タレ目なキミはふわっと笑って私を招く。


その仕草に私はドキッとして首を傾げた。


不思議に思いつつもキミの元へ歩み寄って、隣に立った。




「ここ、座りなよ」

空いてる隣の席を軽く叩いて言ったから、私はキミに頷いて隣に座った。


思ったより近くて、この音が聞こえてしまいそうだと思った。


心が大暴走している。
これは、現実?夢、じゃない?

委員会とはまた違った距離感にとてもドキドキしている。


なぜだか、泣きそうになった。