「せんぱーい、ほらほらほらほら〜」

鬼ごっこは部室を飛び出し、第2校舎の4階全部を使ったものにレベルアップした

にゃーぁー
にゃーぁー
にゃーぁー

『連続再生止めろこのバカ!
てか消せ、今すぐ消せ、さもないと私がお前を消すぞ!!』

「怖〜い、先輩怖〜い」

『棒読みぃぃ!!!!』

ひょいひょいっと逃げる誠君に翻弄されつつ、やっと制服の裾を掴んだ瞬間、

ズルッ

『あ』
「!」

滑った私を庇うように抱きとめてくれた誠君を、勢いのついた私が見事に押し倒した

「わお、先輩大胆だなぁ」
『いや、ごめん偶然の賜物だわ』

とりあえず上からどこうとして、腕を伸ばそうとすると、

「まだだめ」

ぐいっと首に手を回され、引き寄せられた

『いや、あの、え?ちょ、は?』

「まだ、もうちょっと…我慢して、真紀」

至近距離で名前で呼ばれ、顔が真っ赤に染まる

そのまま唇が近づいていく

端整な顔立ちの誠君の目がゆっくり閉じられていく

「真紀…」

ぎゅっと目を瞑った瞬間

ゴンッ!

おでこに物凄い痛みが走った