夢を見た

浮遊感を感じながら暗闇をただひたすら歩いていた

もうずっと歩いている
漠然とそんな気がする

ただ不思議と疲れを感じない

(これは夢だな)

私、田村 真紀(たむら まき)はそう思った

止まりたいという気持ちはなく、この永遠とも言える時間を感じるのがなぜか心地よかった

終わりのない散歩

しばらく歩いているとジリジリと蝉の鳴く声が聞こえてきた

それと同時に私の名前を呼ぶ声も

ジリジリジリジリ

……マ…………キ…………ま……キ…

周りは相変わらずの暗闇

そんな中にふと人影が見えた

ぼんやりしていて、もうすぐ消えてしまいそうな…

私は無意識に問いかけた




『あなたは…誰…?』