「どうして俺の魅力が分からないんだよ!!」

「はぁ?分かる訳ないでしょ!!
てか、分かりたくもないわ!!」

「2人とも、まだ喧嘩してたのな。」


今は朝のHRが終わって、休み時間。

いつもと同じ様に私達2人の声が教室中に響き渡る。

周りはいつも通り、私達を見て笑っている。


もちろん優斗も。


「てか、何お前も傍観者にまわってんだよ!」

「そうだよ優斗!!
笑ってないで、このチャラ男どうにかしてよ!」

「誰がチャラ男だよ!」

「君以外誰が居るんですか~?」


そんな事を言いながら翔太は優斗に近づき肩を組む。


「優斗さん、この子はいつからこんな子になったんでしょうね~?」


私の方をチラチラ見ながら大声で話し出す。


ホントにムカつく!!!


「なによ翔太!!」

「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。」


そう言いながら優斗は私達2人の手をとって無理矢理握手をさせた。


「はい、仲直り。」


溜め息をつきながら言う優斗。


「桜が謝れば許してやるよ!」

「はぁ?何で私が謝るのよ!」


それでも私達はお互い一歩も引かず、
握手している手をお互い強く握る。

すると、力の入った私達の手の上にもう一人誰かの手が優しく乗った。

顔を上げると、

そこには、満面の笑みを浮かべた優斗が立っていた。

私達2人の顔から血の気が引いていく。


ヤバい・・・・・・


「あの~優斗・・・?」

「優斗~顔が怖いぞ~」


2人で必死に笑いながら声をかけると、


「ん?何が可笑しいのかな?2人共。」


3人の中で1番身長が高い優斗は少しかがんで話出す。


「仲直りできるよな?」


周りから見たら普通の笑顔かもしれない。
でも、長い付き合いだからこそ私達には分かる。


この笑顔が1番怖いと言うことを・・・・


「「・・・・はい。」」


短い返事をして、
私達は苦笑いを浮かべながら仲直りをした。

満面の笑みを浮かべた優斗の横で。