「な、なにやってるのよ!」

「貸しなさいよっ!」


真ん中の女が顔を真っ赤にさせて飛びかかってきた。

もちろん避けてやったが。


「これを"湊様"に見せに行こうか?これだけ見てもリンチしてるようにしか見えないね」

「消せ!!消せよ!!」

「なら、」


私は強く告げる。


「こんな低脳のするようなことしないで。目障りだから」

女は不自然なほど赤い唇を噛んだ。

その仲間も俯いて顔を歪める。


「…この写真は消してあげる。脅しなんて嫌だから」

「えっ」


私は香川 佳穂のか細い手首を掴み、もう一度女たちを見た。


「でも写真を消したからって勘違いしないで。
次やったら容赦しない。あなたたちを陥れる方法なんていくらでもあるんだから」