コトン、私の目の前に紅茶が置かれた。
そして正面には、私をじっと見つめる成宮 隼人。
金色だった髪の毛はその面影もなく、黒褐色に染められていた。
何故、こんなことになっているんですか。誰か教えて。
「今日は何の用なんですか?」
先程、逢坂 湊に尋ねたことを成宮 隼人にも質問した。
すると彼は私から目を逸らすように俯いた。
え、本当になんなの?
「ま、まあまあ、結愛ちゃん。紅茶でも飲みなよ」
私の声が冷たかったからか、香川 佳穂は私が怒っていると勘違いしたようで、宥めるように言う。
「ありがとう、香川さん」
私は彼女が入れてくれたであろう紅茶を一口飲んだ。
その瞬間わかる、この紅茶の質の良さ。
コンビニとかペットボトルで売ってるやつとは全然違う。
たぶん高級茶葉を使ってるんだと思う。



