「御両親は、あんたの将来の可能性を広げてくれた。そんなことにも気づけないなんて予想以上に馬鹿だったのね」

「…は?意味、わかんねえ…」

「ふっ。その足りない頭でせいぜい考えれば?
…最後にこれだけ言っておく」

「……、」

「私はあんたみたいな奴が大っ嫌いっ!!」


言い切った。言い切ってしまった。

バイバイ、私の"良い人"というレッテル。


「…さようなら」

最後に私は扉を大きな音を立てて閉めた。


あーあ。終わっちゃった。

さりとて、これっぽっちも後悔していない。

最初から私の印象は悪かったと思うから、今回のことでもうあの人たちと関わることはないだろう。


「ふっ…あははっ…」

私の口から乾いた笑い声が漏れた。

怒りとか、思っていたことを言えて良かったと思う気持ちとか、色々な感情が混ざって心の中はもうぐちゃぐちゃ。

知らないうちに家に着いていた私は、自分のベッドに飛び込んだのだった。