「俺はっ、親に将来を決められたくねぇの。
お前みたいに成績優秀で将来、何でもできるような…自由な奴が羨ましくて仕方ねえよ」

「…私が自由だと?」

「そうだろ?
ま、お前にはわかんないだろうな。誰もわかんないだろ、俺の苦労なんて」

成宮 隼人はそう言ってフンッと鼻で笑う。

「なに、それ…」


───プツン

その瞬間、私の中で何かが切れる音がした。


「なにそれっ!不幸自慢?笑わせないでよ。
世の中にはあんたなんかよりずっと辛くて苦しい思いをしてる人がいるっ」

私の豹変ぶりに成宮 隼人は目を見開き、他の三人も唖然としているのがわかった。

でも、私は言葉を止めなかった。

周りの人を蔑視している。そんな態度が気に入らない。


「私にはあんたの気持ちがわからない?そんなの、わかりたくもない!」

私はあんたみたいにだけはなりたくない。