「私、そろそろ帰るね」
「え?!まだこの前より2時間も早いのに」
「ちょっと、ね…」
流石に二日連続でお義母さんを怒らせるわけにはいかない。
言葉を濁す私に、何かを察したのか察してないのか、彼女はニッと笑った。
「じゃあ、また明後日ね!」
「そう、だね」
明後日か。あんまり気が進まないな…。
「じゃあね」
「あ、待って!」
腕をぐいっと引っ張られて少しよろめいた。
「何?」
「あのね、拓くんが帰るときは声掛けてだって」
「え、九条さんが?」
面倒臭え。
今日も無言でこっそり抜けて帰るつもりだったのに。
「んー。やっぱり、誰かに送ってもらった方が私的にも安心かな。結愛ちゃんって、なんか連れてかれちゃいそうだし」
「……、」
失礼な。私がそんなひ弱いとでも?
まあ、本気で心配してくれてるんだろうけど。



