私が何故こんなに勉強に執着しているのかというのは家庭に事情がある。

よくある話だ。

ものすごく簡潔に言うと私のお母さんは私が小さい頃に亡くなってしまった。


元々 病弱だったお母さんは私を産んで、その後病院の入退院を繰り返し、私がやっと幼稚園に入る頃、遠い旅に出た。


小さい私はよく覚えていないのだけど、まだ幼かった三歳年上の姉は、その死を受け入れるまでに時間がかかったという。


そんな姉を見かねた父は私たちに新しい"母"を連れてきた。


綺麗で、優しくて、料理が上手で、宿題を見てくれて…、そんな出来た女性だった。


幼いながらに、お父さんはお母さんを愛していたように、"母"のことも愛していることに気づいた私たち姉妹は二人の結婚を喜び、そして祝福した。