決して狭くない自分の部屋でひとりうずくまった。


寒さに震え、両腕を体にきつく巻き付ける。
すると、



「風邪ひくぞ」



私の腕なんかよりずっと力強く、私の体を包み込んだ。

その温もりに安心して体を擦り寄せれば、痛いぐらいぎゅっと抱き締められる。



「好き」



何度言っても足りない言葉。

見返りなんて求めたりしない。



「愛してる」



貴方に伝えたいのはこれでも足りない。


きつく抱きしめられていた腕が緩み、二人に隙間ができた。

不安になって顔を上げると、待ち構えていたかのようにキスをされた。

息もできない程、何度も何度も落とされたそれは私を染めていく。



「誰よりも愛してる」



湊の声と共に、再びキスが私に落ちてきた。





◇fin◇