突然腕を引っ張られて、湊の胸に飛び込んだ。

びっくりして引こうとすると、腰をがっちりホールドされて動けなくなる。


「ユア…、その涙は、俺が好きだから?」

「……っ、」


耳元で呟かれて、肩がビクッと上がった。


「ねえ、好き?」

「…好きだよ、」

「…っ」


私がずっと隠してきた気持ちを解放したのと、私の体が解放されたのはほぼ同時だった。


「…どうしよう。馬鹿みたいに嬉しい」


手の甲で口を押える湊。

その姿ですら格好良い。


そしてもう一度、私を抱き締める。


「ユア、好きだよ。やっと捕まえた。もう離さないから」

湊の腕の力が強くなって、私と湊の距離が零になる。


「好きで好きで、俺から離れられないようにしてやる。覚悟しとけよ」


もう離れないよ。


そう言おうと思ったのに、降ってきた少し乱暴なキスによって阻まれた。