「私は此処にいたらその人たちに甘えちゃうから。いつかまた会えたとしたら、その時に堂々としていたいの」

「そっかぁ、結愛っぽいね!」


スマホも壊してしまったし、連絡手段が無いからもう会えないと思うけど、次会ったその時は、堂々と湊と実波さんを祝福したいよ。

カッコイイ私を見て欲しい。


だから私は此処を離れたら、もっと頑張って勉強して、良い仕事に就いて、幸せになるから。絶対に。

もっと強くなるから。



「お姉ちゃん。私負けないよ」



自分の心にもそう言い聞かせて、すぐそこまで来ている涙を堪えた。


忘れない。

此処で過ごした日々を、この数カ月を私は決して忘れない。