「難しい話だけど、結愛ちゃんは頭が良いからわかるかな?」

それからお義母さんは、私の頭を優しく撫でた。

綺麗なほほ笑みを浮かべながら。


「きらい…じゃない」

「え?」

「おばさんのこと、きらいじゃないよ」


我ながら全く可愛げの無い糞ガキだと思った。

でもお義母さんは、目を細めて嬉しそうな表情になって。

「そっか」

って言うから、私は顔を赤くして下を向いた。


ああ、これがもし現実に起きたことならば、いつからお義母さんは変わってしまったのかな。

私が変えてしまったのかな。

いつまでも可愛げの無い子どもで、飽きられてしまったのかな。


わからないなあ。


お義母さんの笑顔が遠く遠く、離れていく。


もっとこうしてれば、ああしてれば。

後悔は止まらない。


後悔しても過去は変わらないのに。





嘘か本当かわからない世界で、私の涙がポツリ。一雫落ちた。