「ただいま」

玄関には乱雑に脱ぎ捨てられたパンプスがあった。

私はパンプスを整えて、その隣に丁寧にローファーを脱いだ。

相変わらず"おかえり"はなくて、私は一息吐いてリビングの中へ入っていく。


お義母さんはソファーに横になり、スースーと寝息を立てていた。


「お義母さん、風邪引くよ」

クーラーが効いてる部屋でいつの間にか寝てしまったのだろう。

まだ起きそうもないお義母さんに押し入れからタオルケットを出してかけてあげた。


ふと窓に目を向けるとまだ雨は降っていて、洗濯物が雨曝しになっている。

マジかよ。

慌てて全て取り込んだけど、時すでに遅し。

全部洗濯し直しだ。


臭くなる前にと、急いで洗濯機に詰め込んで動かした。