この苦しみは水に溺れる感覚ととても似ている。

溺れると苦しくて、息を吸おうと口を大きく開けるともっと苦しくなる。

それの繰り返し。

そしていつか死んでしまうのではないかと思ってしまう。

私は上手に泳げる人が羨ましい。

羨ましくて仕方ない。



好き。

好きだよ、湊。


湊の優しいところとか笑顔とか誰よりも周りに気を配っているところとかちょっとSっ気があるところとか。

全て丸ごと、大好きなんだよ。


でも、今、湊のベクトルが私に向いていないことを知っている今。

私はもう、諦めるから。

無理にこっちに向かせようとかしないから。



これ以上、勘違いさせないで。

好きにさせないで。