「まあ、振られるのはわかってたし!別に大丈夫だから」

「隼人、」

「単なる俺の自己満だし、気にすんなよ」

「…うん」


私には、隼人が自分に重なって見えて、きつかった。

尋常じゃない息苦しさに窒息しそうだった。



「それより、お前は自分の気持ちに素直になれよ」


寄るところがあるから先に帰れ、と手を振り去っていく隼人を見て、やるせなさが濁流のように押し寄せてくる。

どうして、こう上手くいかないんだ、と。



隼人、私は自分の気持ちに十分素直になってるよ。

でもね、この気持ちを外部に出すことはたぶん一生ないと思うよ。



もう見えなくなった背中に、さっきの隼人の返事をした。