「湊。私ね、なんていうか義理の母親と上手くやれてないみたい」

空気が重くなるのは嫌だったから、そこでヘラっと笑っておどけて見せた。

でも湊は手当を終えて、私の目を真顔のままじっと見つめた。


真剣に聞いてくれてる。

私はそう思うだけでいくらか気持ちが楽になり、ぽつりぽつりと自分の生い立ちを話し始め、遂には全て伝えていた。


全てを聞いた湊は、

「頑張ったな」

とだけ言って、目を伏せ、それからもう一度私の目を見た。


「俺は、ユアと同じ経験をしたことがないから、ユアがどれだけ辛い思いをしたかはわからない」

「うん」

「だけど、お前には俺がついてるよ」


胸が熱くなるのを感じた。

港がどんな意味で言っているのかはわからないけど、私はやっと見つけたと思った。