「お前、腕怪我してる?」
「…っ、」
思わず目を見開いてしまった。
湊の洞察力はたまに鋭すぎると思う。
「よ、よくわかったね」
バレてしまったことには誤魔化す手も思い浮かばなくて、どぎまぎしながら肯定した。
「そんぐらいユアを見てたらすぐわかるわ」
「…そう?」
もしかして、佳穂や他の人にもバレてるのだろうか?
だとしたら、気を遣わせてしまうかもしれない。
「ねえ、佳穂たちは…」
「気付いてないと思う。てか、それよりもユアは自分の心配しろ。手当するぞ」
「え、いいよ」
「何言ってんだよ。痕とか残ったら大変だろ?」
湊は少し怒った面持ちで救急セットを持ってきた。
手当してくれるって、それは嬉しいけど、この醜い痣を湊に見せたくない。



