溜まり場に着いてクーラーの効いた部屋でゴロゴロとしていた佳穂がコンビニに行くと言い出したのは、溜まり場に到着してからおよそ30分後のことだった。
「結愛ちゃん、アイス食べたくない?」
「アイス?別に食べたくないけど」
「えーなんでなんで!私は食べたいよ!」
「あ、そう。食べればいいじゃん」
「ここにはないんだもん。コンビニ行かなきゃ」
佳穂は私の腕を掴みぐいぐいと引っ張ってくる。
その時、腕に鈍い痛みが走り、微かに顔を歪めてしまった。
昨日お義母さんに殴られたところだ。
私はそれを悟られないように、微笑みつつ佳穂の手を解いた。
「ごめん佳穂。私は行けないや…」
「ええっ!そんなぁ」
私には明日提出の課題があって、それを早めに終わらせたいのだ。
「佳穂。手が空いたから僕が一緒に行くよ」
「拓くん!やった!隼人くんもアイスいるでしょ?行こう〜」
「なんで俺までっ」
文句を言いながらも付いていく隼人はやっぱりアイスが食べたいからだろうか。
ああもう!
だって、今3人がいなくなったら、私は湊とふたりっきりじゃないか…!



