「ゆ、結愛ちゃんっ。ごめんね。ごめんなさいっ」

「なんで謝ってんのよ」

「だってぇ、私っ。結愛ちゃんを信じてなかったんだもん!」


ぽたりと一滴の雫が佳穂の頬を伝って流れ落ちる。

私は黙って佳穂を眺めた。


「噂を聞いた時、急に怖くなった。もしかして結愛ちゃんは私のことを嫌がってたんじゃないかって。私を嫌いなんじゃないかって」

「そんなの今更すぎでしょ」

「確かにそうだよね。結愛ちゃんって最初の頃は本当に嫌そうな顔してたし、ずっと嫌々私といるんじゃないかとか色々考えちゃったんだ」

「そっか」

「うん…。違ってよかったぁ!」


ゴシゴシと手で涙を拭った佳穂は私に笑って見せた。

目と鼻が赤くなっている彼女は、これまで見た彼女の中で一番ブサイクで一番綺麗だった。