私はなんとなく廊下を突き進み、後者の一番端の階段を登った。
そしてなんとなく最上階にある屋上へ向かっていった。
屋上の扉を開けると風が私の髪を揺らして、これが昼休みだって感じがする。
最近の昼休みは屋上に行かない時の方が少ないくらいだったから、屋上に行かない昼休みは物足りない。
そのまま歩みを進めると、入ってすぐでは死角になっていた佳穂の姿が見えた。
私がいなくても此処で食べてたんだ。
ぼうっとした様子でお弁当のおかずを口に運ぶ佳穂は私が入ってきたことにも気付いていないみたいだ。
「佳穂」
あまりにも気付かないから名前を呼んでみたけど、魂が抜けたように俯き加減の彼女はこっちを全く見向きもしない。
大丈夫か…?
「かーほ!」
次は耳元で少し強く呼んでみた。
するとそこでやっと佳穂は私の姿にハッと気が付く。



