「まあ、それだけ俺の方が…」
「…佳穂が一番だから」
声を遮って言ったから隼人が何を言おうとしたのかはわからない。
でも私の声に隼人が、佳穂が、その場にいた4人が瞠目した。
「結愛ちゃん、それどういう意味?」
「さあね」
いろんな意味を込めた一番だった。
思えば始まりはいつも佳穂から。
「うふふふっ」
「何ニヤけてんの、気持ち悪い」
だから私は彼女には笑顔でいて欲しい。
「じゃあ俺は?二番?」
「なわけないでしょ、よく考えてみろ」
「あー、佳穂と同率一番?」
「…隼人って馬鹿でしょ」
ポジティブ思考すぎだろ、と溜め息を吐いた。
呆れるを通り越して感心する。



