───パンッ


リビングのドアを開けた瞬間、銃声のような音が耳に飛び込んできた。

何が起こったのか理解出来なくて、私は唖然とする。


「結愛ちゃん、ハッピーバースデー!!」

「結愛、おめでとう」


もう見慣れた部屋には紙で作った輪っかの飾りや花が飾られていて華やかになっている。


「なんで…」

私の誕生日を知ってるんだろう。


「ごめんね、調べちゃった」


ぺろっと舌を出しておどけて見せる佳穂の語尾には絶対星が付いているだろう。


「本当はもっと盛大にお祝いしたかったんだけど、急だったから…」

「……、」

これでも十分派手だと思うのだが。

金持ちとはやはり価値観が違うらしい。