尋ねられたのは、金髪に緑の目の少女だ。
たれ目がちで、どことなく弱気そうな雰囲気を受ける。
「え、あ……えっと、違います……」
か細い声で否定する。しかし、黒髪少女にはよく聞こえなかったようだ。
「え?何?」
「あ……の……そ、その…」
どんどん声が小さくなる。
見ていられない。助けてあげよう。
「違うってさ」
「あら、そうなの?困ったわ、どこの子かしら」
黒髪少女は、ため息をついて頬に手を当てた。
「あの…」
話しかけられた気がしてそちらを見ると、金髪少女がこちらを見て目を潤ませていた。
「ありがとう…」
「あー、いいよいいよ」
律儀な子だな。