その瞬間、教室中にものすごい轟音が響き渡った。



ガラガラガラガラガラッ!と、シャッターを下ろすような音だ。



「え、な、何!?」



「落ち着いて、あさぎ……っ、この音、廊下からだ」



でも、廊下だけでは無かった。



教室の窓の外。



穏やかな緑と住宅街の景色が、分厚いシャッターで遮られていく。



今は朝だからまだ電気をつけていなかった教室は、窓の光を失って真っ暗闇になる。



あちらこちらで戸惑いの声が上がった。



「いや、真っ暗…っ!」



「な、何だよこれ!?」



「は、どうせドッキリだろ?」



「み、皆!落ち着いて!」



混乱した声がひしめく。



ちなみに、私もだ。



「ハル、大丈夫!?」



「平気!あさぎは?」



「無事だよ!」



パッ



そんな効果音とともに、突然教壇の上にスポットライトが当てられる。



そこにはドヤ顔のアートが立っていた。



「ハイハイ皆落チ着イテ!



 今カラ説明スルカラネ」



説明……この状況のことだろう。



正直、何が何だか分からない。



それは皆も同じようで、ポカンとした顔で黙ってアートを見つめている。



「エエト、マズハコノ状況二ツイテダケド……