その時、それまで黙っていた少年が唐突に口を開いた。
「僕ハ、監視役ダヨ……デスヨ」
「…え?監視役?」
「ハイ。「アーモロート」ト申シマス。「アート」デ良イデスヨ。」
監視役?
何の?
「なあ、あさぎ…」
「あ、ハル。居たんだ。」
「酷いな、同じクラスだよ。
……あの子何なんだ。監視役って。」
分かる訳がない。むしろ私が教えてほしいくらいだ。
そしてそれは、黒髪少女も同じだったようだ。
「えっと、どうゆうことかな?」
「仕方ナイデスネ、教エテアゲマス!」
タンッと教壇の上に立つ少年....アート。
黒髪少女が「教壇の上に立っちゃだめよ」と注意しているが、全く気にしていない。
「皆サンハ、『世界人類総幸福化理想郷統治慈善計画及ビ終末世界救済計画』、通称『ユートピア計画』ノ、選バレシ第一号ナノデス!」
ユートピア計画……?
その前にも何か言っていたがよく聞き取れなかった。
「幸福」とか「理想郷」とか「終末世界」とか言っていたような気がする。
ずいぶんと中二病が喜びそうなワードだ。
「ザックリ内容ヲ説明シマスト……
皆サン二ハ、一生ココデ暮ラシテイタダキマス」