駅前のファミレスについてしまった。
今日初めて見て、初めて会って、初めて話して、
その人たちとご飯を食べに行く。
こんな事があっていいのかと思いながらも
四人席に俺と一希、前に彩ちゃんと由美ちゃん
という形で座った。

皆が少々無言でメニューを見て

一希「決まった?」

と言う一希の声とともに皆がそれぞれ
注文をし始めた。

一希「俺は、ハンバーグ定食お願いします。拓馬は?」

拓馬「あ!俺は生姜焼きのやつで。」

一希「2人は?」

と聞いて2人とも顔を見合わせて、
まるで無言で譲り合いをしてるかのようだった。

由美「うちは、お豆腐の胡麻和えサラダで。」

彩「うちは…海老の海鮮サラダで。」

2人とも女の子だな〜と素直に当たり前の事を
思ってしまった。
それぞれ注文を済まし、料理が来るまで雑談をしていた。

一希「2人は部活とかやってないの?」

由美「あーうちら運動神経悪いんだよね笑」

一希「そうなんだ笑」

拓馬「運動系以外で何かやろうと思わなかったの?」

由美「部活より、遊んでるのが楽しいかなと思って笑
2人はやってないんですか?」

一希「俺は、学級委員やってるからいいかなって思って」

由美「そうなんだ!彩もそうだよね?」

彩「う、うん、まぁ頼りなさそうだけど笑」

と俺に質問が飛ぶ前に、料理が来た。
まぁ俺に質問が来ていても、何もやっていないで
終わってしまうから良かったかもしれない。

由美「2人は夏休みは何かするの?」

と言われよくよく考えてみた。
特に予定はない。
いつも長期の休みの時は家にいて
友達から連絡が来て遊ぶって感じだった。

一希「いや、まだ何も予定はないかもな」

一希もそんな感じなんだなと思いながら
生姜焼きの最後の1枚を口の中に入れた。

拓馬「2人は?」

と質問をごもごもした口から返した。

由美「うちらは予定だらけです笑」

少し羨ましいと思ったのは
心にしまっておくとしよう。

拓馬「へー、なんか皆で遊んだりとかできたらいいね」

羨ましと悟られまいと思い、
変な事を言ってしまった。
俺はちょっと焦り、それを落ち着かせようと
水をゴクリと飲み干した。

由美「あーそれあり!」

一希「確かにな、せっかくだし遊びたいね」

良かった。
変な奴で終わらなくてよかった。

拓馬「彩ちゃんもどう?」

彩「あ!うちは全然オッケイです!」

まだ少し緊張しているのか敬語だった。
その後皆でLINEを交換してグループを作った。
「駅前ファミレス組」
と言うダサい名前にした。