スクールバックの向こうに2人組の男子がいた。
見た瞬間うちは数秒で誰だか分かり、
思わず。

彩「あ!」

と声を上げてしまった。
うちから見て最初に見えたのが、一希くんではない
もう1人の方だった。
うちの心の中で勝手に選択肢から外していたのを
思い出し、思わず…

彩「すいません…」

と少し小声で言ってしまった。

「い、いえ、こちらこそ…」

と向こう側も何故か謝る感じできて
少し申し訳ないなと思っていると、
その男の子の後ろから

「なんで2人とも謝ってんの?拓馬なんか悪いことした?」

と言う、学校1のイケメン、一希が後ろから出てきた。
うちには無縁そんなこと思っていて、
一希がいざ目の前に来るとドキドキが
凄くなり周りの音が聞こえなくなっていった。
緊張してるのバレてないかな?
少し顔が赤いのバレてないかな?
とか変な事を考えていたら、後ろから

由美「一希くんだー!!」

という声に我に返った。
何故か一希くんに変な意識をしていたため
恥ずかしい人とは思われたくなかったんだと思う。
由美の親になったように由美に注意をしてしまった。

彩「由美!失礼じゃん!やめてよ!」

なんて今思うとなぜ注意したのか、
本来自分だってそうしたいはずなのに、
心に思ってるだけ、それなのに、由美は表の感情にだせる。
そんな由美に嫉妬してしまったのかな、と
自分で反省していると。

一希「ははは、大丈夫だよ!こんにちは由美ちゃん」

かっこいいーと正直に思ってしまった。
こんな笑顔であんなこと言われたら
かっこよくなっちゃうよ、案の定

由美「あ…こんにちは…」

こんな感じだ。
まぁ無理もない、うちもそんな興味がなかったが
目の前にしてこんな姿を見たら、どんな女子も
少しはドキドキしてしまうだろ。
そんな事を自分に言い聞かせていた。

一希「由美ちゃんと…」

と言いながらうちの顔を見たので
思わず。

彩「あやっていいます!」

しまった、敬語になってしまった。
しかも少し裏声になっていたかもしれない、
恥ずかしすぎる、かなり緊張してんじゃんうち。

一希「彩ちゃんか、よろしくね♪
俺は一希!こっちは拓馬!」

その時初めてもう1人の方、拓馬くんの名前を知った。

拓馬「よろしくです」

少し笑いそうになった。
「よろしくです」うちよりも重症かもしれない。
拓馬くんのおかげで少し緊張がほぐれた感じがした。

一希「君達、俺達と同じ学年でしょ?」

と一希くんが靴を脱ぎながら言っていた
仕草1つ1つがかっこいいと思えてしまう。

由美「うん!そう!」

由美は相変わらずすごく喋る
すごいと思った。
こんなイケメンを前によく喋れるなと思ってしまう。

一希「じゃあそのうち授業で被るかも知んないね!」

由美「そんなの幸せすぎ!」

凄い、由美は身長も小さく顔は可愛い
体型も太っていないのに胸はある。
それでこんな明るく喋れたら
そりゃモテるわと、うちの中で勝手に納得した。

一希「大げさだよ笑、面白い子だね」

と一希くんが笑い少し和んだ。

由美「この後2人は何かあるんですか?」

と由美が聞いて、うちも興味が出た。
すると

一希「この後は何もないよ、ただ帰るだけかな」

用事はなかった。
まぁだからうちらと少しこうやって
話してくれてるんだろうなと思いながら
着々と校門に向かって横一列出歩いていく。

由美「うちらこの後駅前のファミレスに行くんだけど
良かったらどうですか?」

彩「由美!…」

ビックリした。
行くわけがないでしょ、
今日たまたま向かいの教室で目が合って
たまたま下駄箱で会い、
そしてそのまま一緒にファミレスに行くなんて
ありえない、出来すぎている。

一希「んーまぁお腹空いたし行こうかなー
なぁ拓馬!」

出来すぎていた。
そんな、うちらが一緒にいていいんですか?
明日女の子たちから何か言われるんだろうな
とか思うと少し憂鬱になってきた。

拓馬「彩ちゃは…」

と急に聞かれビックリした
まさか拓馬くんが言ってくるとは思わなかった。
今まで話してなかった拓馬くんが
うちの事を気にかけてくれるなんて思ってもなかった。

彩「え!あ…じゃあ、ぜひ」

結果4人で行ってしまう、ファミレスに。