また嫌な授業が始まった。
授業が始まってもちょっとの間由美は

由美「一希くかっこよかったー」

しか言わなかった。
若干ウザイと思いながらも、

彩「確かにねー」

なんてそこら辺に転がってる言葉を
使った。
そして嫌だった授業が終わり
放課後になった。
皆がバラバラと帰ってく中
うちらはちょっと教室で喋っていた。
その頃にはあの2人の事は頭の片隅に
眠ってしまって由美との会話にも出てこなかった。

由美「この後さー駅前のファミレス行かない?」

と誘われ、

彩「いいよー」

とちょっとかぶせ気味に返事をした。
そしてファミレスに行くために
教科書をスクールバックに詰め込み
由美は少し化粧を直して下駄箱に向かった。
階段を降り長い廊下を行ったら
下駄箱が出てくる。
その道中にふと疑問に思った事を口にした。

彩「そう言えば彼氏とはどうなの?」

由美はちょっと驚いた表情に近い感じで
うちにこう言った。

由美「あー普通だよ!普通!」

正直その「普通」が気になって聞いたのに
普通と返されちゃうと、

彩「そっかー普通かー」

としか言い返せない。

由美「まぁなんか色々難しい人でさ、うちの為に言ってくれてるんだなって思うこともあって…」

と第3者からしたらわかりずらい事を言ってきた。
うちはちょっと心配そうな顔をして、

彩「なんかあったの?」

と言ってあげた。
まぁ由美は親友だし由美が嫌なことがあったら
それは嫌だなと思うから、だから心配してあげた
なのに、

由美「まぁうちの事なんてどうでもいいじゃん!」

と笑顔で言ってくるもんだから
うちの少しの心配が無駄に終わった。

由美「彩はどうなの?気になる男子とかいないの?」

とちょっとニヤニヤしながらきいてきた。
正直それこそどうでもいいと思いつつも
少し考えてみた。

彩「気になる男子かー…」

と下駄箱についたので
スクールバックをうちの横に置き、
靴を脱ぎながら考えていた。
「気になる人」そう言われると思い出すのが、
あの頭の片隅に眠っていたあの2人組
一希くんともう1人、
まぁもう1人は知らないから正確に言うと
一希くん、だけどうちなんかはと思い
勝手に消去して「いないかな」と言おうと
横に置いてあったスクールバックを持とうとした時、
スクールバックのその先にあの2人組がたっていた。