「川原〜ご面会だぞ」

美也子と真央が居る
窓際に来たのは
いわゆる不良グループの
男の子だった。

「和馬が話があるって」

その瞬間真央が
顔を上げた。

「どうしようっ
 絶対あたしを
 殴るつもりよっ」

「そんな‥‥」

美也子は苦笑いして
真央をなだめた。

「とにかく、大丈夫よ」

「どこにそんな根拠
 あるのよ〜」

「まぁまぁ」

美也子はそう言うと
教室の入り口に小走りで行った。

正直さっきまで和馬の事を
真央みたいに誤解していた。

でもジュースもくれたし
そんな悪い人には見えない。
転んだ時も起こしてくれたし。

そしてこの騒がしいのは
和馬をみて悲鳴をあげる
ミーハーな女の子達だ。

美也子は冷たい視線を
浴びながら女の子達を
相手にもしない和馬を見つけた。