「‥‥‥え?」

「だから、俺は
 なんも取ったりしないし
 昼間の事怒っちゃいねーし
 ‥‥ま、こっちも悪いし
 これで、許してくれよ」

和馬はそう言って
持っていたジュースを
美也子に持たせた。

「あ‥‥ありがとう」

美也子は驚いた表情で
和馬を見上げる。

「美也子〜!
 パン買って来たよ〜」

タイミングよく真央が
二人の間に入る。

そして和馬と目が合う。

「あ、真央、あのねこれは」

「‥‥‥美也子」

美也子が説明しようとすると
真央は美也子の腕を
つかんで言った。

「逃げるわよ!」

「え?っ‥‥ちょ!!
 真央!‥‥っ」

美也子は真央に腕を
思いっきりひっぱって
その場から走り出した。

「‥‥‥」

和馬は一瞬のことに
目をぱちくりさせて
苦笑いした。

「美也子‥‥ね」