お昼

美也子はぼーっとしていると
いつものように前の席の
真央が机をくっつけて
美也子の顔を覗き込んで来た。

「‥‥美也子?」

「‥‥‥え?」

「え?じゃないわよ〜
 お昼!あんたずっと
 ぼーっとしてるんだから」

真央はしかめっ面をして
美也子に言う。

「はやくしないと
 購買混んじゃうんだから」

「ごめんごめん」

ふてくされる真央に
機嫌取りをするように
美也子は急いで立ち上がった。

「まったく、あんた
 和馬って人になんか
 されたわけ?」

「え?‥‥いや別に」

美也子はそう言って
話を流した。

「まぁー、パン一個で
 許してあげる」

真央はにやっと笑って
そう言った。

「え〜?あたしが
 悪いの?」

「へへっ」