「ほらっ‥と」

和馬は美也子を
軽々しく立たせると
スカートのほこりを
パンパンとはらってくれた。

「あっ‥‥あの!」

「え?あ‥すまん」

美也子が顔を赤くして
方向をかえると
和馬は目を丸くして
手を離した。

「和馬〜何セクハラ
 してんだよ!」

周りの友達がちゃかす。
美也子はそのまま
うつむいてしまった。

「あ〜、えっと‥‥」

「あの、急いでるんで‥‥」

美也子はそのまま
走っていってしまった。

「おいっ!‥‥‥」

それが
出会いだった。

ただ教室移動で
廊下でぶつかって。

漫画の世界のことと
思ってた事が
まさか自分に起こるなんて
思いもしてなかった。