電話をきって2時間くらいがたった。
美也子は急いで準備をすると
携帯がなるのをそわそわしながら待った。

「ドライブって‥‥
 何するんだろう‥‥」

美也子はそう呟きながら
部屋をうろうろ
しているときだった。

遠くから聞こえる
バイクのエンジンが
家の近くで止まったのだ。

まさかと思い
美也子は窓から道路を覗いた。

ピリリリ‥‥ピリリリ‥‥

「はっ‥‥はい」

「着いたから外出ておいで」

美也子は返事をして
電話を切ると
急いで家を飛び出した。

ようやく和馬の
ドライブの意味が分かった。

美也子が家を出ると
和馬がバイクによっかかって
待っていた。

大きな黒いバイクだ。
街ではよく見るが
実際間近でみるなんて
初めてだ。

「‥‥ドライブって
 バイクだったんだ‥‥」

美也子は関心したように
和馬に言う。

「まぁね、初めて?」

「うん」

少しうれしそうに
美也子は言う。

「じゃあ、ちょっと
 海まで行こうか」

「本当に?!」

美也子は子どものように
はしゃいで聞く。

「よかった、普通
 女の子ってバイク
 イヤがるから安心した」

そういって和馬は美也子に
ヘルメットをかぶせた。