あるところに学校という世界の事柄を学ぶ場所がありました。
子供と呼ばれる人達のほとんどがそこに通っていました。
ウラガンという男の子もその一人のはずでした。

ですがその授業を受ける教室ではなく、建物の隅にある芝生や花壇で構築された広場で横になっていました。
男の子は不思議な力を持っていました。
その力で妖精と話すことができたのです。



ある日、木の妖精が話しかけてきました。
「人間。いつもここにいるな。わしら精霊と話していて楽しいのか?他の人間と戯れていなくてよいのか?」

「うん。あんな騒がしいのは苦手なんだ。僕は君等と駄弁っている時が一番楽しいよ。」

「人間。この世界は嫌いか?」

「君はほかの子と違って質問ばかりだね。うーん僕は静かに暮らしたいだけなんだけど、どっちかと言うと苦手なのかな。」

「ふむ。ならこちらの世界に来てみるのはどうだ?だがこれに耐えれたらだが」
そういって妖精はつるを縄のように枝を鞭のようにして襲い掛かってきました。男の子はただの人間、たちまち縛り付けられ、魂が抜かれてしまうはずでした。

「急な風か。運がいいな人間。」
それを突然に吹いた強風ですべて弾かれてしまいました。

「あぁ。危なかったね。でも昔から運はいいほうなんだ。」
男の子はなにかを含むように笑いました。

「だが次はないと思え」
今度は葉が矢となって襲いました。